【8月4日】 No.271 (高知⇒徳島⇒香川⇒岡山⇒兵庫)
 溜まっていた日記を一気に書き上げた頃には深夜4時前。
 敬くんは、数日の疲れが溜まっていたのか、2時前には眠ってしまっていた。
 それなのに、起きたのは私の方が早いという……
 ビジネスホテルの案内をよく見てみると、10時にチェックアウトとなっていて、
 9時45分に起きた彼は毎度の如く神業のように準備してました。スゴイ(^^;

 数分歩くと、すぐ高知駅に到着した。深夜に下見しておいたように、
 高知県の中心部にいたようだ。土電(土佐電鉄)も走っている。
 10時半過ぎに電車が来た……って1両編成かい!?
 それなのに、乗る人などほとんどおらず、シートが余るような状態。
 昔からここに住んでいる人が、関東や関西の10数両編成の電車を見たらどう思うのだろうか?

 それから3時間ほど同じワンマン電車に乗り続ける。
 さすがにヒマだったので、持って来ていた小説を読みながら時間を潰す。
 読んでいたのは、コリン・ウィルソン「迷宮の神」(1980)
 彼の著作はあまり知られていないけど、春に私が大きく考え方を変えることが出来たのは、
 まさに彼の本のおかげだと思う。哲学・心理学・性・オカルトなどを専門とし、
 新実存主義を唱える彼の著作をあれから40冊近く買っている。

 その後、徳島県の山間部に突入。
 徳島県 大歩危
 写真にある駅は「大歩危駅」といい、まさに人を舐めたような地名です(^^;
 かずら橋などで有名で、確か四国の河川の源流部分だったと思う。
 私は8年ほど前に一度ここに来たことがあったので、懐かしいなぁと感動。
 敬くんもこの地名に妙にハマったようです。

 15時頃、香川県の多度津に到着。
 この間、何気に時刻表の地図を見ていると、何やら面白いことが書いてある。
 「津島ノ宮駅は8月4、5日のみ営業します」
 年にたった2日しかやってない駅だって……?
 面白そうなので、当然行くことにした私たち。
 多度津からほんの2駅だし、何か特別なことが行なわれると思ったからだ。
 乗り継ぎが悪いので、その間にインターネットで美味しい讃岐うどんの店を検索。
 どうやら、坂出駅の中にあるらしい。

 30分後、津島ノ宮駅に到着。というより、もはや駅じゃない!
 プラットホームもないし、駅舎は掘っ立て小屋に等しい状態(^^;
 電車は15度くらい傾いていて、関西の阪神電車のような状態だった。
 年に2日しか使われない津島ノ宮
 風に吹かれてなびく旗を見てみると、子供を授けてくれる神様を祭る神社らしく、
 瀬戸内海にぽつりとひとつ島が浮いていて、そこへの橋が掛けられていた。
 祭りが行なわれていて、カップルや小さな子供を連れた家族連れがたくさんいた。
 年に2日しか開かれないこの場所。その場所に偶然居合わせたことに運命を感じた。

 電車の出発の時間まで30分くらいある。
 私たちはゆっくりと神社をまわると、瀬戸内海を眺めた。
 少し霧がかかっているが、本州がかすかに見えていたりしてなんともいい。
 逆に海岸線の方を眺めると、はっきりとした自然の緑と、
 海の青に分かれていて心が洗われるような感じがした。

 でも、子供を授かる以前に相手の娘さんがいないよな……
 と敬くんと話をしていると、縁結びなら出雲大社だろうなという意見が出た。
 予定では、山陰は今回の旅行で一番最後に通過することになっている。
 そこまで無事辿り着けるのだろうか、その頃にはどうなっているのだろうなどと考える。
 そして、ある人のことを思い出した。いや、今日一日ずっと考えていたのかもしれない。
 勝手に頭の中に浮かんでくると言った方がいいのだろうか。
 (話が大きく脱線しそうなので、これに関しては明日の日記にて)

 その後、坂出まで行くと、名物の讃岐うどんを食べた。
 やはり店で売っている讃岐うどんと銘打たれたものとは、明らかにレベルが違う。
 妙に一本が長いのが気になったけど、麺に弾力があって味わいがある。
 あまりに美味かったので、ふたりでもう一杯ずつ追加注文してしまいました(^^;
 考えてみれば今日はまだ何も食べていなかったので、余計に美味しく感じられたのかもしれない。

 18時頃に、マリンライナーで瀬戸大橋を通過。
 さすがに疲れが溜まってきたので、かなりウトウトしてました。
 岡山の茶屋町駅で、敬くんと一時的に別れることに。
 彼の実家はこの近辺なので、一泊していくということにしたらしい。

 ひとりになった私は、CDを聴いたり小説を読んだりしながら、
 のんびりと兵庫を目指しました。計算では、22時前後には自宅に辿り着けるはず。
 途中、山陽本線の三石駅という場所で30分以上、立ち往生させられました。
 辺りに人の気配もないこの駅に取り残されたのは、私と同じく、
 旅を続けていると思われる人々数人で、暫くの間、虫の音だけが響いてました。

 姫路に入ると、あとは新快速があるのであっという間でした。
 とにかく早い早い。高知のワンマン電車が悲しく思えます(^^;
 そして22時に無事に西宮の自宅に到着。今日はほんといろいろありました。

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