『痕』おまけシナリオ盗作疑惑 『痕』おまけシナリオ盗作疑惑
(2001.3.4)


下に『痕』に収録されていた高橋さんのテキストを掲載しましたが、
この文章から判断すると、高橋さんは青紫さんが何らかの文章を元にして
書いたことは知っていたようですが、「できすぎ」に関しては知らなかったようです。
マスターアップの直前で一刻の時間も惜しい状態で、
青紫さんに急遽頼んだというような状況が浮かんで来ます。

これに関しては高橋さんに罪はなかったのかもしれませんが、
内容を改めることなく廉価版(DVDケース)を発表し、
発売から今までずっと黙秘を続けていたことは余りいいとは思えません。
状況が悪化する前に素直に発表しておいた方がよかったと思われます。

2001年に入ってから、講談社側から何らかの接触があったのか、
Leaf側は廉価版『痕』の回収に入りました。
そして3月1日にオフィシャルHPでお詫び文を公開(下に全文掲載)、
盗作という言葉は出してはいませんが、事実上認めたという形になりそうです。


『痕』内テキスト 「企画脚本.読」by 高橋龍也 (1996.7.26)

初めましてこんにちは。
雫で会った方はお久しぶりです。
企画脚本担当の者です。
リーフビジュアルノベルシリーズ第二弾、ようやく(ホント長かった)お届けできることになりました。
これを書いているのがCDを焼く15分前。今も急かされてます。
今回こそはゆっくりと、このドキュメントを書くことができるかと思ってましたが、
なんと、全てのシナリオがあがったのが3日前、それから演出を担当、
ほとんど不眠不休で戦いました。(うひー!)
ああ〜、ですが、時間の許す限りは欲張ってシナリオを入れてしまうのは、
制作者なら当然のことなのです。(さすがに今回は時間が許してはくれず、
発売日が一週間延びてしまいましたが…スミマセン、全て僕が遅れたせいです!
そのかわり、今回は盛りだくさん…って感じに仕上がりました!)

さて、ビジュアルノベルの名で発表するソフトも二度目です。
今回の『痕』は、前回の『雫』とは色々な意味で差別化を図り、
えんたーてーめんとっぽいものを目指してみました。
バラエティにとんでいて、以前よりもマルチって感じにはなっていると思います。
皆様のご意見ご感想、心待ちにしております!
ファンレターを貰うと、すごく嬉しいです!
会社に来たファンレターは、コピーして自宅に持って帰ったりもしてます。
これが次回作の意欲へとつながるんです!(『雫』同人誌とかもらったときは、
ホントに嬉しかったです!)

前回『雫』は、よく脚本(僕担当)への評価が耳に入り、
嬉しいと同時にとてもプレッシャーがかかりました。
ビジュアルノベルという方式上、どうしてもCGやシナリオに評価が
向くということは覚悟してましたが、僕としては、絵やシナリオ以外にも
細かなシステム回り(プログラマー)や、雰囲気溢れる背景(背景スタッフ)、
聞いているだけで世界観に引き込まれる音楽(ミュージックスタッフ)にも
とても注目して欲しいと思います。
微妙に調和の取れた演出力がビジュアルノベルを支えてるように思います。

しかし、とにかく今回はきつかった。
休みくれ〜がすっかり口癖になってしまいました。
大スランプに陥っていて、それを脱するまで、シナリオの書き直しの嵐でした。
でも、難産だけあって、今回の痕はとても可愛く思えるのも事実です。
前回、暗〜い内容だったので次回作への意見が『明るいもの』というのが
ほとんどだったのことに苦しめられました。
最後まで苦しみました。
次回はすんなりといける得意ジャンルで勝負したいなとか思っています。
あと、個人的に貰って一番うれしい感想は、キャラクターへの感想です。
どのキャラクターが気に入ったかの感想も心待ちにしていま〜す!
時間がないため、随分まとまりのない文章になってしまい、申し訳ありません。

あ、忘れてた!
今回、シナリオの一部を友人に手伝って貰いましたが、元ネタがあるそうです。
解る人いるかな〜と言ってました。


『痕』おまけシナリオについてのお詫び (2001.3.1)

LeafオフィシャルHPに掲載されたお詫び文です。
直リンクを貼るのが普通なのですが、1ヶ月間のみの掲載と書かれていますので、
今後のことを考えてそのまま転載させて頂きました。

平成13年 3月 1日

吉沢景介 様
株式会社 講談社 様
お客様各位

株式会社アクアプラス
代表取締役社長 下川直哉


弊社製品「痕」おまけシナリオについてのお詫び

弊社が平成8年7月26日より販売させていただいております製品、Windows95/98専用ソフト「痕(きずあと)」のおまけシナリオにおいて、一部内容が講談社様発行の文庫本「ショートショートの広場1」収録 吉沢景介様作の短編小説「できすぎ」に酷似しているとのご指摘を作者吉沢景介様ならびに講談社様より頂きました。
該当部分は、ゲームの本編シナリオを攻略すると出現する番外編シナリオの一つで、当時シナリオライターが感銘を受けた同作品の影響が色濃く出ており、結果的に原作に極めて類似しているとご批判いただいてもっともな内容となっておりました。
そこで早速、以降出荷分「痕」製品の問題部分削除、ならびに店頭在庫分の回収を平成13年1月中に行わせて頂きました。さらには今後このような事がないよう心がけて参ります。
作者 吉沢景介様、講談社様ならびにお客様には大変ご迷惑をお掛けいたしました事を、心よりお詫び申し上げます。






盗作(パクリ)は著作権侵害ということで、違法となっていますが、
著作権に関しては盗作された側が何らかの形で訴えない限り罪には
ならなかったような記憶があります(違っていたらすみません)。
とはいえ、企業としては許されないことではないでしょうか。

この問題は今回の件だけではなく、MP3等の音楽配布、CD-R配布を始め、
同人活動の基本である肖像権の侵害など、私を含めて同人業界の人間なら
考えなければならないことだと思っています。

だからと言ってこのような活動をやめろと言うことは出来ませんし、
こう書いている私自身もそう出来るか疑わしいです。
ただ、それが当然だと考えてしまうのは危険だということを
今一度、心に留めて置くいい機会なのかもしれません。

<<前ページ


憐ゲームレビューTOPへ
戀INDEX