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そういえば、随分前の話になりますが、面白いものを手に入れました。
それは「エルフ Classics」という物で、エルフのDOS時代の名作が幾つか
入っているらしいとのこと。その話を聞いた時に、
情報をもって来た後輩にすぐさま手に入れて貰うように頼みました。
名作と言えば、知る人ぞ知る菅野ひろゆき(当時 剣乃ゆきひろ)氏の
最高傑作『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(1996年)に決まってるからです。
他にも何か入ってるらしいとのことで、『シャングリラ』とかその辺かな?
とか思っていたのですが、まさにその通りらしく、1、2(1991、1993年)とも
入ってました。 正直な話、な、懐かしすぎるよ……(^^;
パソコンが普及し始めたのは、NECがPC98シリーズ生産中止を宣言し、
PCの規格がDOS/Vに統一されて以降(1997年頃)なので、DOS時代のゲームを
やっている人って結構少ないかもしれません。
当時と言えば、エルフ、F&C(当時アイデス)、シーズウェア、アリスソフト等の
大手と、新興勢力との間に明確な差があり、後者なんかはまさにクソゲーの名に
相応しかったと言えます。
私もそんなにやっていた訳ではなく、専ら雑誌等で情報を仕入れていたのが
大半なので不確かであるといえばそうなのですが、今なら同人でもこんなの
作らないよというようなレベルのものが平然と売られてました(^^;
その中でも圧倒的な完成度とゲーム性を誇っていたのがエルフであり、
『ドラゴンナイト』シリーズ(T〜W)『同級生1、2』『下級生』など
当時では他に追随を許さないような作品を輩出してました。
(ちなみに、『下級生』などフロッピー17枚組で発売されて、当時は相当
話題になりました。まだCD-ROMドライブが標準搭載ではない時代です)
レビューに書いていないので、いつか書きたいとは思っているのですが、
今のゲームが必ずしも、DOS時代の作品に勝っているかというとそうでもないです。
逆に言えば、今のPCゲーム業界の根底を作ったような作品がたくさんあります。
恋愛モノの根底となったのは、『同級生1、2』(1992、95)『下級生』(1996)などであり、
別の路線(=萌え)の根底となったのは、F&C(当時アイデス)の作品です。
それらを受けて、『ToHeart』(1997)『ONE』(1998)などで大ブームが巻き起こりました。
また、「ビジュアルノヴェル」というジャンルを作り出したのは、当時リーフの高橋龍也氏の
『雫』『痕』(1996)であって、特に後者の完成度は高く今でも伝説的な作品となっています。
(今はなぜかコナミが商標登録してしまって使えなくなってるんですけどね^^;)
現在のゲームは大抵がこれをベースにして作っています。
まさに標準規格になってしまった訳です。
「マルチサイト」というジャンルを作りだしたのが、当時シーズウェアにいた
剣乃ゆきひろ氏で『DESIRE』(1994)や『EVE burst error』(1995)などを輩出しました。
これも名作として、現在ではWindows版がリテイクされています。
DOS時代の作品で、上に挙げたような作品は、正直言って現在発売されている
大半のゲームよりも内容がしっかりとしていて、面白く、完成度が高いです。
ただ、その中でも唯一Windowsに移植されていなかった最高傑作が『YU-NO』です。
16色で作られた最後の作品ですが、今見ても正直16色で描いたとは思えません。
並列世界を利用した完璧なシステム、クリアまでに40、50時間という内容の濃さなど、
未だにこのゲームに太刀打ち出来る作品は見たことがないです。
(ゲームの完成度の高さで対抗出来るのは『痕』『ONE』『青空』くらいです)
しかし、エルフと菅野氏が仲違いしたこと、ソフ倫が取り締りを厳しくしたことで、
仕方なく今回、DOS時代そのままを再現した「エルフ Classics」として復活した訳ですが、
(近親相姦を含むので、その辺がすべて伏字にされてしまったらしいけど 泣)
これがもし完璧なWindows版として作り直されたとしたら、
少なくともCD-ROM5、6枚組というかつてない作品になると思います。
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