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昨日、なんとなく部屋の隅に埋もれてた「エヴァンゲリオン」と「赤ずきんチャチャ」
のLDBOXを引っ張り出してきました。
思えば中高時代、少ない小遣いを工面して(というか借金して)買ったもの
なんですが、久々に軽く見てみて感動を覚えました。
「チャチャ」最高! 無理して買っておいてよかったな〜(笑)
「エヴァ」に関して知らない人はいないと思うけど、
心理学、カバラ、グノーシスに関する知識が相当に盛り込まれているんですね。
最近、ずっとこの辺りのジャンルに関して独学で勉強してるので、
久々に見たいなと思っていたのですが、ようやく見る時間が出来ました。
正直な感想としては、昔見た時よりも、随分この作品が訴えたかったことが
わかるようになったということでしょうか。
当時見ていた頃は何の話やらよくわからなかったんだけど、
教養が身についてくるとそれなりに張り巡らされた伏線が読めるようになるんですね。
それを考えてみて、改めてこの作品の偉大さを実感。
あともうひとつ昔と違うなと感じたのは、見ている自分自身の心境。
昔はシンジという他人との接触を極端に避ける主人公と、私自身をシンクロ
させている部分が大きかったので、凄く心に響く部分があったんですよ。
でも今は、別の視点からこの作品を見ることが出来て、印象が随分変わった気がします。
人間ってほんのちっぽけな存在だから、ある一定の立場、ある一定の視点からしか
物事を見ることが出来ない。けど、一度見方を変えて物事を見つめ直して見ると、
以前は見えなかったものが見えるようになって来る。
「あるひとつのものを見る」ということに関して、それを見る人間が10人
いるとしたら、10通りの見方が出て来る訳で、本当にそれを理解しようとするなら、
その10通りの見方でその対象を見てこそ、初めて理解出来るんじゃないかって。
簡単に言うと、自分の考えに近いものばかりを正しいと決め付けてしまうのではなく、
反対意見も十分に聞いてみて、両者を検討してから初めて決断を下すべきなんじゃないかと。
裁判なんかはまさにこの方式を取ってますよね。
話が思いっきり脱線してますけど、何が言いたいのかと言うと、
どんなものであっても「気分」や「知識」によって
見方が変わるんだなってことです。
流行に流される人って、今この時が一番だと考えていて、過去のことなど
どうでもいいと考えてしまうんだと思うんです。
ファッションだって、昔の流行が繰り返しやって来ているのに、
「今はこれだから、他のはダサイ」とかそういう風に決め付けてしまって、
それまでのものを捨てて、今という時にすがろうとする。
それが与えてくれた喜びや感動は嘘ではなく、確かなもののはずなのに。
時間というものが、あらゆる感情を忘却の彼方へと押しやってしまう。
憎しみや悲しみだけでなく、歓びや感動までも。
とは言え、忘れるという機能がなかったら、嫌なことやストレスをため続けて
しまい、いつかは爆発してしまうのだろうけど。
そしてそうなった時、人は人としての形を保てなくなり、自殺してしまうだろう。
この世界には、本当は楽しいことも嬉しいこともいっぱいあるはずなのに、
そのことを忘れたまま、この世界を否定してしまうのだ。
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