Succession of the Life
『Succession of the Life』 (2004.9.13)
ヒロイン2人のみフルボイスのSFアドベンチャー(ノンボイス版もあります)
あらすじはサイトから引用させていただくとこんな感じです。
都会から遠く離れた山間に、とても小さな村があった。
その名を伊次村(いつぐむら)と言った。
その村には、不思議な言い伝えがあった。
「生の継承」
死者が生者の命を奪う事が出来る。
そんな、不思議な村を訪れる……
「俺達、死んだのか?」
克巳が村で体験する、現実では考えられない出来事……
それらは全て、24年前のあの日に繋がっていた。
「この村には、ある言い伝えがあるんだ。生の継承……
命が人から人へと受け継がれていく現象……」
「誰かの命を貰えば、俺達は生き返れる」
謎に包まれた伊次村の中で物語は展開していく……
物語は、主人公である克巳が伊次村に伝わる「生の継承」と呼ばれる
謎を調べるために村にやってくる所から始まります。
そこで出会う不思議な少女、巳鵜(みう)。
そして、すべての謎を知り尽くしたかのように語りかけてくる沙良という女性。
このふたりと鶏鳴荘という旅館が物語のキーポイントとなります。
物語構成としては、1~4章と過去回想編を合わせた計5章。
2章と3章のみ選択肢があり、そこでの選択に応じて、
最終の4章で4つのルートに分岐します。
(巳鵜トゥルー&ノーマルエンド、沙良トゥルー&ノーマルエンド)
文章構成は上手く、読む者をぐいぐいと引き込んでいく魅力があります。
無駄な文章も一切なく、最初からテーマに沿って直球で進んでいきます。
個人的に2章と3章の区切りがよくわかりませんでしたが、
その他の区切りはすばらしい上に、伏線の張り方も絶妙です。
徐々に解けて行く謎に心を躍らされました。
「生の継承」という世界観の構築に関しては本当にうならされました。
ネタバレOKだったら、長々とこの世界観をまとめてみたいくらいです。
これだけのものを違和感なく作り上げることは並のことではないです。
テーマ自体に関しても考えさせられることが多いです。
本当に人間の核心を突くような作品であると思います。
キャラクターについても、性格付けが本当に上手く出来ており、
対照的な巳鵜と沙良の書き分けが上手く感動しました。
巳鵜の汚れのない純真さも好きでしたが、沙良のひねくれさ加減も大好きです。
人の心を掴むキャラクター作りは本当に重要だと思います。
各エンディングに対する感想ですが、巳鵜トゥルーエンドはよかったです。
本来描きたかった内容なだけに、完成度も高かったと思います。
一方で、沙良ノーマルエンドにおいて、それまで整合性を持っていた
世界観を一部ぶち壊している部分があり、残念でした。
そう考えると、無理に4種類作らなくてもよかったような気もします。
あと、巳鵜トゥルー以外のエンディング後に流れるCMについてですが、
あの場所で流しているのは少し残念でした。
エンディングの余韻に浸れなかったいうか、邪魔された感じです。
コンプリート後におまけページが見れるような構成でもよかったと思います。
一番気になったのは画像に関すること。
イベントCGがなかったことや背景が微妙であったことはいいとしても、
立ちCGのアルファブレンド処理が不充分だったことが気に掛かりました。
これは注意してやれば簡単に回避できることであると思います。
システムの面に関しては高橋直樹氏の「NScripter」を使用しており、
「SAVE」「LOAD」の他に「BGM」「VOICE」設定が簡単に行える独自の
システムメニュー画面を作っている点がポイント高かったです。
最終的な評価点ですが、もう少し高得点をつけたかったものの
各項目の持ち点は決まっているのでこのような点数になってしまいました。
ここまで世界観の構築が素晴らしい作品は珍しいので
CGに関しては気にせずに是非プレイして欲しい作品です。
こんな面白い作品を作ってくださってありがとうございました。
タイトル |
作者(敬称略) |
シナリオ |
キャラ |
CG |
音楽 |
システム |
総合点 |
Succession of the Life |
phylector |
19 |
18 |
12 |
15 |
16 |
80「A」 |
※各項目は、12点を標準として20点満点で採点しています。
